ボトックスとは
ボトックスとはボツリヌス菌が作り出すボツリヌストキシンという成分から精製した薬剤を注入する治療法です。筋肉の収縮を抑制することでシワの改善や予防、筋肉の縮小による小顔効果が期待できます。
ボトックスの仕組み
ボトックス注射は神経伝達物質であるアセチルコリンの放出を抑制することで筋肉の過剰な動きを抑制します。これによって顔のシワ改善や小顔効果などが期待できます。
ボトックスの効果
ボトックス施術は主に以下のような効果があります。
- 顔のシワの改善
- 小顔効果や部分的な痩せ効果
- 毛穴の引き締め
- 多汗症の改善
ボトックスは表情筋の過剰な働きを抑えることで、眉間や額、目尻のシワを目立たなくさせます。特に、眉間の縦じわ、額の横じわなどの表情ジワに対して効果的です。
ボトックスを使ったおすすめ施術
ボトックスを使ったおすすめの施術としては、エラボトックスとワキボトックスがあります。
エラボトックス
エラにボトックスを注入することで、咬筋(こうきん)と呼ばれる顎の筋肉の過剰な緊張を緩和し、張りを減らすことができます。これによってフェイスラインがすっきりし、小顔効果が期待できます。
ワキボトックス
またボトックスは脇に注入することで脇汗を軽減する効果があります。ボトックスは発汗を促進する神経伝達物質であるアセチルコリンを抑えるため、通常3~7日後から効果が現れて汗を抑えます。
ボトックスで使用する薬剤
ボトックスで使用する薬剤にはいくつか種類があります。当院のボトックス注射で使用する薬剤としては、アラガン社製のボトックスビスタとヒューオンス社製のLIZTOXがあります。
アラガン社製ボトックスビスタ
アラガンはアメリカの大手製薬会社で、ボツリヌス毒素を用いた美容医療の分野で広く知られています。特に「ボトックスビスタ」という製品名で知られるボトックスは世界中で多くの医療機関で使用されている薬剤です。
アラガン社のボトックスはFDA(アメリカ食品医薬品局)やEMA(欧州医薬品庁)から承認されており、その安全性と効果が広く認められていることが特徴です。日本でも厚生労働省の承認を受けており、国内で唯一の公式なボトックス製剤としても信頼を得ています。
ヒューオンス社製LIZTOX
LIZTOX(リズトックス)は韓国のヒューオンス社が製造するボトックス製剤です。LIZTOXはKFDA(韓国食品医療品安全庁)から承認を受けており、A型ボツリヌス毒素を含んだ薬剤です。アラガン社製のボトックスビスタの後発品として位置付けられていますが、その効果と安全性が認められており、世界中で広く使用されています。高品質なボトックス製剤として多くの美容クリニックで使われていますが、日本では未承認薬になっています。日本で承認を受けているボトックスの薬剤はアラガン社のボトックスビスタのみになります。
ボトックスビスタとLIZTOXの違い
ボトックスビスタとLIZTOXはどちらもA型ボツリヌス毒素を含んだ薬剤ですが、以下のような違いがあります。
ボトックスビスタ | LIZTOX | |
---|---|---|
製造会社 | アラガン(アメリカ) | ヒューオンス(韓国) |
日本国内の認可 | 唯一の承認薬 | 未承認薬(KFDA認可済) |
値段 | 比較的高価 | 比較的安価 |
違う種類の薬剤を同時に用いることはできません。医師と相談の上、使用する薬剤を決定していきます。
ボトックスはこのような人におすすめ
- ハリのある若々しいシワのない肌を取り戻したい
- エラ張りが気になっている
- 毛穴の開きが気になる
- 肩こりや筋肉の緊張が気になる
- 脇汗が気になる
ボトックスの効果はどのくらい続くか
効果が出るまでの時間
個人差がございますが、ボトックスは注射後、通常2〜3日で効果が現れ始めると言われています。特にシワの改善目的での注入の場合、表情筋の動きが抑えられ、シワが軽減することを実感できることが多いです。効果が安定するまでには約1〜2週間かかります。この頃にはシワが目立たなくなることが期待できます。エラボトックスの場合、顔がすっきりする効果は約2週間後にピークを迎え、その後1ヶ月ほどで小顔効果を実感する方が多いです。
効果の持続時間
ボトックスの効果は約3ヶ月程度持続することが一般的です。シワ取りや小顔目的で注入した場合、3ヶ月程度で効果が薄れていきます。また多汗症治療での注入の場合、個人差がありますが効果が3ヶ月以上持続する方もいらっしゃいます。ボトックス施術は手軽で短時間で行えるため、多くの人に利用されていますが、効果を持続させるためには定期的な施術が必要です。
ボトックスのメリット
ボトックスには主に以下のようなメリットがあります。
- シワの改善
- 小顔効果
- 施術時間が短い
- 効果を感じやすい
- ダウンタイムが短い
ボトックスは表情筋の過剰な動きを抑えることで、額や眉間、目尻などの表情じわを効果的に改善します。薬剤の効果により、若々しい印象を保つことが期待できます。
また、エラにボトックスを注射することで、咬筋の働きを弱め、フェイスラインがすっきりとした印象を与えます。これにより小顔効果が期待できます。
ボトックスは注射のみで施術が終わることからその他の施術に比べて施術時間が短い傾向にあります。また美容を目的としたボトックス注射は施術して数日後から効果を感じることができます。
ダウンタイムがほとんどないことも特徴で、術後すぐにメイクをすることができます。注射後に一時的な赤みや腫れが生じることがありますが、通常は数日以内に改善します。
ボトックスのデメリット
ボトックスには主に以下のようなデメリットがあります。
- 効果は永続的ではない
- 副作用として内出血、腫れ、表情の違和感などがある
- エラへの注射では噛む力が低下する
ボトックスの効果は永久的ではなく、個人差がありますが、3ヶ月程度で徐々に効果が減少すると言われています。
副作用として内出血や痛みなどがあります。また注入後薬剤の効きはじめは表情の違和感を認める場合があります。ただし、最初の数週間にこの症状が現れる場合がありますが、 このような副作用は効果が切れることで徐々に戻ることが多いです。
ボトックス注射は筋肉の収縮を抑制する治療ですので、エラへの注射では噛む力の低下を生じる場合があると言われています。
ボトックスが適さない方
ボトックスはシワの改善、小顔効果、多汗症の改善など様々な目的で広く使用されています。しかし全ての人に推奨できる施術ではありません。以下に紹介する禁忌に該当する方は、ボトックス注射を受ける前に必ず医師に相談するようにしましょう。
- アレルギーがある方
- 重度の筋力低下、神経筋疾患がある方
- 筋弛緩剤を内服中の方
- 妊娠中、授乳中の方
- 感染症がある方